① (他人に対して)申し訳なく、すまない気持ちがする。気がとがめる。 「誠に-・いが、要請には応じかねる」
② 心に苦痛を感じる。心配だ。 「この御方の御いさめをのみぞ、なほ、わづらはしく、-・しう思ひ聞えさせ給ひける/源氏 桐壺」 「いと-・しく物思ふなるは/竹取」
③ (相手が)気の毒だ。いたわしい。 「かかる所に一人離れておはせむが、いと-・しうおぼえ給へばなり/宇津保 楼上・上」 〔上代には、自分に対してつらいと感ずるさまを表したが、平安時代には他人の身を思いやって心が痛む場合にも用い、また、相手がつらいと感ずる状態にある③の意も生じた。①の意は近世以降の用法〕